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複数の薬を服用すると、薬の作用が強くなったり弱くなったりと時に思わぬ副作用が起きることがあります。これを「薬の飲み合わせ」(薬物相互作用)と呼んでいます。薬の飲み合わせという響きから、一般消費者の中には「同じ時間に複数の薬を服用しなければ良い。」と単純に思っている方が多いようです。本来は、もう少し複雑なメカニズムで起きるのです。そこで、薬が体の中でどのような経路をたどっていくのかを、また、その中のどこで相互作用を起こすのかを説明します。 |
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口から飲んだ薬の多くは、胃で溶けて、十二指腸から小腸へと移動しながら吸収されます。吸収された薬は血液に混じって、門脈(静脈)を通り肝臓へと送られます。腸の粘膜や肝臓には、外から入ってきた異物を解毒する働き(代謝機能)があります。一般的に薬も代謝されることによって、作用が弱くなりますが、中には代謝を受けることで初めて薬として作用するものもあります。肝臓で代謝を受けたものは、薬として作用しないまま体外へ排出されますが、代謝されなかったものは血流にのって全身に送り込まれます。血液中に溶けた薬は、血中のタンパク質と結合するものと、しないものに分かれます。後者は、「フリー(free)体」と呼ばれ、これが薬として作用することになります。
「フリー体」は血流にのって循環し、作用部位(受容体)に作用して薬効を現します。一方で、薬(フリー体)は循環している間に、腎臓でろ過されて、一部は再び体に取り込まれて全身を循環しますが、残りは尿として排泄されます。このように、薬は体内で何度も循環を繰り返しながら、薬効を現し徐々に排泄され、体外へ出て行きます。
A. 腸での吸収を阻害・・・薬同士、または薬と食べ物が作用し合うことで、腸から充分吸収されずに排泄されることがあります。すなわち、折角服用した薬が効果を発揮しないまま体外に出て行くことになります。
B. 腸や肝臓での解毒への影響・・・腸の粘膜や肝臓には「薬物代謝酵素」と呼ばれる物質が存在しています。この酵素の働きによって、大多数の薬が解毒されます。薬や食品・飲み物の中には、この酵素の働きを強めたり弱めたりするものがあります。酵素の働きが強くなると、その酵素で代謝される薬の作用が弱くなります。また、逆に酵素の働きが弱くなると、薬の作用が強く現れることになります。
C. フリー体への影響・・・前にも説明しましたように、血液中の薬はタンパク質と結びつくと効果を発揮しなくなります。そのため、あらかじめタンパク質と結びつく分を計算に入れて、薬の服用量が決められています。ところが、タンパク質と結合する率が高い薬同士を一緒に飲むと、薬同士が血液中のタンパク質を奪い合い、その結果、タンパク質と結合できなかった方の薬はフリー体となり、予想外に薬の作用を現すことになります。
D. 薬の作用が重なる・・・体内には様々な作用部位(受容体)があり、血液中の薬は全身を巡るので、目的とした部位以外に作用して、思いがけないところに作用を発現することがあります。違う病気に使う薬だから作用の仕方も違うだろうと勝手に決め、複数の薬を一緒に飲むと、予想していたよりも強く現れたり、予期せぬ副作用が出現したりすることがあります。
E. 腎臓での再吸収での影響・・・薬の一部は腎臓で再吸収されます。ここでも、再吸収を強めたり弱めたりする相互作用が起きることがあります。
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薬の飲み合わせは、作用を増強させるものと減弱するものの大きく2つに分かれます。特に注意が必要なものは、飲み合わせにより作用を増強させるものですが、作用の減弱により思っていた程の効果が得られず、治療中の疾患が悪化することを考えると、無視することは出来ません。
最近では、普段気に止めずに食べている食品や健康づくりにと心がけて摂取している健康食品(サプリメント)の中にも薬との飲み合わせが悪いものがわかってきました。安易に考えずに、正しい情報を教えてもらえる薬剤師にご相談下さい。 |
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